Complete text -- "(金融)格付の意味と役割"

16 November

(金融)格付の意味と役割


  • 格付って何だろう、と考えるチャンスの多い昨今。日本では、外資3社に日系2社の5社が大手ということになっているようですが、こんなに林立しているところは他国にはないようです。

  • そもそも格付っていうのは、社債を発行する会社などを格付会社が評価して、その評価結果をAAA、BB、などの記号でランキングするもの。ここしばらく書いている車ディーラーめぐりで参考にしたS&Pというのはアメリカ二大格付会社のひとつですね。本来格付は、社債なんかに投資する人が、発行会社がどのくらい倒産するリスクがあるかを見極め、どの程度のリスク料を要求すればよいか(どの程度高い金利を要求するか)の判断材料として使うものです。

  • 素直に考えれば、投資家が情報料を格付会社に支払い、それと引き換えに格付会社が自分の評価を情報として売るというビジネスモデルが自然。ところが、今の多くの格付会社のビジネスモデルは「依頼格付」すなわち発行会社が格付会社に格付をお願いし、格付手数料を支払うという形になっています。つまり、お金をもらってその相手を評価するわけですから、甘くなることは無いのか?と利益相反を心配したくもなるのですが…

  • 現在では、格付っていうのは投資家による評価だけではなく、いろいろな法や制度にも使われるようになっています。その中で、もうじき始まるバーゼル規制でも格付が参照されている。金融庁案では、いまのところ「依頼格付」にむしろ価値を認めて、格付会社が勝手につける「非依頼格付」は使えないとしています。なぜかといえば、格付け会社が低い「非依頼格付」をつけて会社に『お金を払ってくれればもっと高い格付をつけてあげますよ』とブラックメールする手段にしているから、ということらしい。実際に格付の現場の話を聞いてみると、そういう節がまったくないわけではなさそう。

  • でも、だとすればそういう行為のある格付会社の格付は使いません、という規定にすればいいんじゃないでしょうか。依頼格付を「高くする」という営業は、非依頼格付がブラックメールというのか、依頼格付が利益相反というのか、よくわかりません。この格付の論点は、もっと広く議論されるべきだと思います。格付には他にも格付会社間で見かけ上同じ符号に差がある(同じ会社に格付会社によって違う符合がついている)というレーティング・スプリットの問題もあります。もっといろいろ議論されても良い話ですね。



23:17:00 | mentor | | TrackBacks
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