Archive for 10 August 2007
10 August
(金)もうサブプライムじゃないってば
- 夏休みのリフレッシュ効果が一気に吹き飛ぶ一週間。8月は夏休みでマーケットが薄い(参加者が少なくて取引量が少ない)ので、ベタ凪になることが多いのですが偶に今年みたいに荒れることがあります。為替のことが多いんですが、今年はクレジットと株。クレジットがテーマになるのは久しぶりですね。
- 世の中では、理解の進んでいないメディアはまだ「サブプライム」と書きたてていますが、そろそろ英米のトップ経済紙は「クレジット」全体をテーマにしつつありますね。今話題になっているのは、もはやサブプライムではありません。テーマに取り残されないように気をつけましょう。
- サブプライム住宅ローンの不調が続くことで、個人消費に影響が出るまでにはいかないとこれまで考えていたが、原油も高い(ちょっと最近下げていますが)中で本当に消費は大丈夫か ⇒米国のリテール株の下げ
- サブプライム住宅ローンの不調のみでは、全モーゲージの10%に過ぎず、また、リスクが「証券化」によって分散されているので金融機関はあまり傷つかない=システム・リスクはないと考えていたが、問題が広がる中で本当に大丈夫であり続けるのか ⇒金融機関株の下げ、スプレッド拡大
- サブプライム住宅ローンだけではなく、同じようにリスクが蓄積・分配されている企業向け与信は大丈夫か ⇒これが大問題
- ということで、サブプライム関連(証券化を含む)で次々と金融機関やファンドの損失が明るみに出、企業向け与信のうちM&Aブームを支えてきた高レバレッジ企業向けのファイナンスがだんだんおかしくなってくると、問題は大きな広がりを見せます。今はその入り口。
- 依然としてメインシナリオは、「行き過ぎた投資による価格の吊り上げ(クレジット・スプレッドの縮小)が修正」され、秋になれば金融機関の財務収益状況も確認されて不透明感が薄れ、実体経済の変調はシステミック・リスクにはつながらない」ということだと思うのですが、最悪のシナリオ「金融機関が抱えているリスクがよくわからないため、与信が絞り込まれて取り付け騒ぎに発展」「企業向け与信そのものが不調になり、倒産率がいよいよ上昇」の2つのリスクシナリオが見え隠れするということなのでしょうか。
- それにしても、まさか金融システムのリスクの方が先に表に出るとは思いませんでした。やはり、開示がしにくい財務の構造になっているところで、英米対比で開示の弱い大陸欧州金融機関が突っ込まれていますね。しかし、日本は…。開示が悪いという意味では同じですが、損が出なかったことを本当に喜んでいいんでしょうか(その分先端的な金融商品への取り組みが遅れていたということでは?)。
- さて、今後の展開ですが、中央銀行の煙幕に隠れて開示が進まないと、事態の解決はすぐには見えてこないでしょう。嫌な感じです。より深刻な倒産率の方は、上昇が目に見えるにはまだ少しかかると思いますが、規模の小さいファンドは粒粒と問題が表面化するので、まだしばらくガタガタすると思います。昔のようにリスクを溜め込んで表に出てきたときには大問題、というよりはかなりマシにも思えますが(日本ではこのような発見機能もまだ発達していないんですよね。。。)
23:47:00 |
mentor |
1 comment |
TrackBacks


