Archive for January 2006

31 January

欧米セカンダリーローン市場


  • 今日は硬派な話題です。"2005 Global secondary market revew: Trans-Atlantic alignment; Asian isolation" Gold Wheets Jan 16, 06 LPC(ローンプライシングコーポレーション)というロイターの関連会社が発行している融資市場に関するニュースレターから、2005年のセカンダリーローン市場の傾向のまとめ記事。l/li>
  • なんといっても2005年の特徴は、欧州レバレッジド・ローンの伸長ですね。レバレッジド・ローンというのは、緩い定義ではIG(投資適格)ではない格付の債務者に対するローン、すなわちBB+以下の債務者に対する比較的高利回りのローンを指します。債務者のレバレッジ(債務比率)が高いことから来る呼称でしょうか。同記事は、このセクターの伸びの結果、欧州市場の構成が米国市場に近くなってきたため、価格変動や参加者も共通化してきたと述べています。

  • もうひとつ興味深かったのは、2005年はなんといってもGM・Fショックでクレジット市場全体が荒れ、その後投資家需要を確認する形でスプレッドが戻るという展開だったわけですが、ここでの戻り局面の底支えを「CLOの発行増」に帰着させていること。確かに、CLO(特に欧州)多かったですよね。

  • わが日本はというと、セカンダリーローン市場は皆無とみなされたのか話題にもならず。日本を除くアジアについては、蚊帳の外、となっています。もっとも、アジアはもともとセカンダリー市場っていうものがあったけれど近年の経済回復で信用力が高まり、債権者(銀行)のリスクテイク余力がたかまったので売らなくて済むようになった、という理屈。さて日本…。



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30 January

拝金主義


  • どこを見てもほりえもん。テレビをみていたら、起業数が回復しつつも10年後の生存率は10%であることを以って「これでいいのか」と言っている。

  • いいんじゃない?と思うのですが。ダイナミクスがなければ国は停滞するんだし、ほりえもん自身かどうかは知らないけれど、金を儲けよう・勝ち組を目指そうとする精神がなければ成長もありませんしね。

  • 既成社会の中では新しい分子が苛められるのですが、ロンドンとかニューヨークとか、それでも差別も区別もある中で企業や市場に成長や転換をもたらす人は、往々にしてマイノリティだったりします。私の昔の上司は、カンボジア戦線を逃げ延びたアジア人でしたが…。まあ、女性キャリアさえも自然に受け入れることが難しいニッポンの大企業では、あり得ない景色なんでしょうが、経営の発想が全然変わってくることも事実です。

  • そういう社会では確かにお金という尺度は大事。一方で、一人で事業はやっていけないので、そういう多様な集団をまとめていくための経営ノウハウっていうのは心底大事になる。外資系と日系の両方で働いてみると、後者が人に優しい社会だというのが大きな誤解だということがよくわかります。本人の希望と関係なくローテーション・転勤なんてありえませんよ。そういう枠から外れる人が世の中で増えるのも、無理はないのでは…。



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26 January

やっぱりMoFか。


  • 「白旗掲げて攻撃する財務省「改革骨抜き」の画策」 Foresight2月号。 竹中大臣から与謝野大臣に代わってから、財務省が経済財政諮問会議を取り込み、旧来の組織維持にこだわらない実質的な主導権をとることに邁進、との記事。

  • やるなあ、としか言えないですね。官僚主導の国のあり方は、個人的には全然ネガティブだとは思っていない。腐敗・先送りをマグマがたまらないうちに外からチェックする機能さえ確保されていれば、人気投票の政治家(で良くわかっていない人)が主導するよりよっぽどいいと思っています。もちろん、チェック機能の不存在は大きな問題となるわけですけどね。

  • 後は、縦割り・人事評価・ローテーションの見直しがあるべきだ、と思いますが。プロ官僚(妙な言い方ですが)が矜持をもって国を支えていくというのは、ある意味効率のよい理想形だと思うんですけど、運用次第なんですよね。そういう意味で、形を捨てる作戦が本当に見えているのだとすれば、これもすごいなあ(現状<組織>維持が官僚の第二の本能であることを考えると発想の大きな転換といえるでしょうか)。

  • 竹中改革は安部さん頼み、という記述もありますが、そうはいったって貴方、安部さんは高名な経済音痴ですよ。


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25 January

株はバブルではないが土地はバブルかも


  • 「稼ぎにおぼれるメガバンク またもバブルを煽るか」 WEDGE 2月号 ノンリコースローンの急増で、受け皿となる不動産ファンドが増え、不動産バブルにつながりかねないとの記事。そのほかに銀行が演出するかもしれないバブルとして変額保険、PB(プライベートバンク)を挙げている。

  • 記事については、不動産のところは同意、他のふたつはポイントがずれていて、最後の結論(拝金主義はだめ)は不同意。精神論ではお金はもうかりません。お金がもうからなければ資本主義は成り立ちません。まずはそこから。

  • で、同意する部分―不動産バブル―なのですが、これは本当にそうなるんじゃないかなあ、と最近思いはじめています。株は、足が速いガイジンかリスクリミットの小さい個人が主役なので、バブルって程のことはないだろう。。。と今のところ考えています。一方で、土地は、銀行資金が入ってきちゃいましたから。ファンドの形になっていようがいまいが、ノンリコースローンは、かつてのリコースローン(債務者に訴求できるが実質は不動産担保にのみ頼っていた)と本質はかわらんだろう...もちろん、不動産の評価がDCFになったために、より合理的にはなっていますが。

  • いつになったら融資の金利はリスク見合いになるんでしょうね。


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24 January

ほりえもん、あぁほりえもん


  • 逮捕、ですね。早かった。地検もエースを投入しての追い込みとなるのでしょうが、この先にまだ何かあるのか?と思わせるほど「金額が小さい」案件です。もちろん、資本の評価益(?)を損益計算書につけかえるとはおぬしもよくやるわいというような手口ではありますが、プロ金融市場になんらかの影響を与えるような案件では到底ありません。そういう意味では、メディアがわけもわからず「日本版エンロン」と書いているのには赤面します。

  • 本件による損失は、フジテレビ・個人投資家に発生しているのでしょうが、これで個人投資家のうちすばやい方々は、「株式分割」「ダイリューションリスク」を学ばれたことでしょう。ここまできても金融音痴の一般メディアは「株式分割による株価吊り上げ」などといってはばからないのですが、賢い投資家は100分割すれば市場株価は100分の1になるはず、という質量保存の法則(?)を今度こそ学んだことと思います。

  • ああ、プロ市場への波及経路もありますね。金融庁の「投資サービス法」で投資事業組合に網をかける案が有力になったこと・地検がつっこんでMSCBをめぐるオペレーションにメスがはいるかもしれないこと。前者は、東証の不手際(と呼ばずして何といいましょうか)とあわせ、日本からガイジン投資家を逃がす有力な材料となりますね。後者は、もしもここまでいけば先行する事例も挙げていただきたいものですが...。



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