Archive for August 2005

31 August

産業再生機構の罪


  • 「産業再生機構の功罪」8.23から日刊ゲンダイで連載 は、産業再生機構(IRCJ)の<罪>のみを、その構成員のうち実働部隊(記事では青年将校になぞらえられている)がファンド経験者で、結局彼らのいいなりになる案件の数々は、結果として国民の負担においてファンドを資するに終わったというものとして描いている。

  • 実態は違うと思う(だからといってIRCJに罪がないとは言いませんが)。中でも、とあるファンドへの売却を、別なファンド出身者がなあなあで仕切ったとしているくだりには大きな疑問。ファンド同士の競争は熾烈なので、商売敵に塩を送ることは見返りがなければやりません(IRCJ解散後、そこに就職するのであれば話は別)。売却は、金額が高ければいいというものではない(簡単に言えば、それだけ先にお金をつかっちゃうファンドは、再建過程で十分に資金を供与できないかもしれない)ため、簡単に<不透明>という批判は当たりません。

  • 税金をつかったことは間違いのないIRCJ。すべての案件につき、スポンサー選定の状況や、その後の再建過程をつまびらかにして国民の知識財産にすることで、大きな存在意義を証明できるでしょう(今すぐは無理ですが)。多くは驚くほど(!)フェアだったと証明されるかもしれませんし、そうではないかもしれません。言い訳でもなくいわれのない非難でもない解説が必要です。




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30 August

民営化に関連してーディストリビューション・チャネルとしての郵便局


  • なぜ郵貯を民営化するのか。民営化すると何が起こるのか。この二点については、決定版ともいえる解説がいくつかのブログ(いまさら紹介するまでもありませんが…そのひとつはぐっちーさんの8月24日)に掲載されています。いわゆる入り口議論ですが、じゃあそこを民営化して何が変わるかというと…。そう大きくは変わらない。巨大資金の運用先は国債以外には考えにくいし、いくら民営化してリスクを取れるようになるからといって、担当者が変わらない以上郵貯の資産構成がそうドラスティックに変わるとは思えない。

  • でも、大きく変わるかもしれないのが、ディストリビューション・チャネルとしての郵便局。「10月解禁、郵便局の投信窓販めぐり各社が必死の売り込み」8・24夕刊フジ はその典型。かつては(今もそうか?)は個人向け国債は郵便局から売れるという現象がありました。さて。郵便局の窓口で、投信のリスク説明はきちんとできるのでしょうか。



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29 August

首相の権限と株主の権利


  • 今回のように妙なメディアの注目度が高い選挙では、枝葉末節の情報が飛び交い全体像を見失う。。。と、間近で見ておられる方も感じておられる様子。そうはいっても、週末の動きといえば八代議員の公認問題ですが、さすがにさくらさんのコメントは迷いがない(トラバさせていただきました)。

  • 「小沢(一郎氏)全真相語る」夕刊フジ8.24付 先週の記事で古くてすみません。正鵠を得ているような気がしたので。造反組がいくつかに分裂したことを、「首相の術中にはまっている」「国民の目には奇異にうつる」「政治家も国民も思い知っただろうが、首相は絶大な権限を持っている」など、どこまでが本当のご本人の発言かは不明ながら、いちいちそうだよなあ、と思う。特に、”首相の権限”については、解散も含めて過去には「そうはいってもそういうことはしないだろう」という暗黙の了解だとみんなが信じていたことがそのとおりにならなかったという点で、昨今の会社は誰のものか騒動(金の論理、株主利益だけでよいのか)にかなり似ているような気がします。

  • 日本は、法制度は民主主義・株主資本主義なのに、運用が違う。その運用をみんなで支えてきた前提条件がここへきてあちこちで崩れているような。



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26 August

地方財政


  • 「三位一体改革は地方財政危機を救うか」金融財政事情8.22号 地味ながら力のある特集です。選挙とあわせてまじめに考えないと。

  • 今回の選挙では、造反候補の地元選挙区に対立候補をたてるという構図になっており、落下傘候補が次々と現れている一方で、地元を大事にする自民党県連のみなさんが中央の党本部に反乱を起こしているわけですね。これは、象徴的に現在の中央VS地方の姿を現しているように思えます。大雑把に言えば税収と歳出は7対3の逆転構造(収入は国が7、支出は地方が3)となっており、このギャップを地方交付税が埋めている(うーん大雑把過ぎるがまあだいたいのところはこんなもんということで)のですが、ここに富の再分配が行なわれ、税収の少ない地方自治体でもやっていけるような仕組みになっているわけですね。しかし、これだけであれば今ほどの問題にはなっていなかったでしょう。

  • この特集でも片山知事が書いておられますが、景気高揚のための「歳出」を地方に担わせ、それに伴って借金が増えている。今、地方の負担の多くはそういう由来ではないか、と。全部が全部そうでもないのかもしれませんが、病理は深く、地方に被害者意識があり、かつ中央に対する反発があるのは事実だと思います。

  • さて、この選挙。党執行部にさからってまで造反議員をサポートする構図は、いままで利益を誘導してくれた一族の議員(例:岐阜)を落選させるわけにはいかない…という鬼気が感じられ、郵政なんかよりよっぽど守旧派の輪郭が浮かび上がっているようです。


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25 August

財務省から政治の世界へ


  • 「衝撃空振り民主の隠し玉」夕刊フジ8.20 和歌山1区から立候補する財務省OB岸本氏。官邸や竹中大臣に近いといわれていただけに、民主党からの立候補は衝撃、のはずだったのに、自民党の内紛劇にまぎれて十分な注目を集められていない、との記事。それにしても財務省、多いですよね。大きなピクチャーとしては、プライマリーバランスの大切さを一番良くわかっているはずの方々が意思決定の側に回るわけで、何とか物事が正しい方向に進んでくれないか…という期待も。一方で、ややミクロでは公的金融機関の民営化なんて進むんだろうかという不安も。

  • 若手官僚が立候補するのはこれまで民主党が相場だったのが、今回は“マドンナ”も含めて自民党からの出馬がちらほら。これはある意味、エポックメイキングなことです。政策の裏方が政治の表に出てみたい、という気持ちはわからなくもなく、また、立候補の年齢が下がっていることも好感が持てる…べきなんですが。

  • 公務員から政治へ、はプライベートも激変。家族にも大きな迷惑がかかります。かんべえさんの8月18日付けの「小論文」は抱腹絶倒ものですが、実は父がほんの短期間田舎の政治家だったことがある私には笑えない部分もあり。マジ、冥府魔道です。

  • そうはいっても官僚のままいるよりは裁量の余地が広くなるはず。当選のあかつきには、田舎と東京の往復に疲れきっちゃうことのないよう、志を形にして活躍して欲しいものだと心の底から思います。



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