Archive for March 2005

16 March

ハイリスク・(ハイ)リターン


  • 先週は、エルピーダメモリー、イーアクセスと二つのIT企業が普通社債を発行し、その利回りの高さから投資家需要を集めました。この業態で、5年と7年という組み合わせは、ずいぶんと長期のファイナンスができるものだなあ…と感心。今後、追随する発行も出てくるのでは?

  • で、海外ではハイイールド債が大人気。FT紙の3・14日付で、End of the party? (饗宴の終わり?)というタイトル書き出しで、米国のジャンク債クレジットのスプレッドがタイトすぎることへの警鐘を鳴らしている。この警鐘自体は全然目新しいものではなく、言われて久しいが、その中でもスプレッドはタイトニングし続けている。クレジットはリバースが起きれば早いし流動性も懸念だけれど、さらにCDOでレバレッジがあちこちに係っていることは新しい懸念材料なのかもしれない。とは言え、資金をつぶさなくてはいけない投資家やファンドは買い続けるしかないのか…。いつ上がる、金利。

  • ハイイールドといえばエマージング。アルゼンチンのエクスチェンジオファーが終了し、真鍋の金融ノート経由で辿りついた東京三菱銀行ホームページ掲載のエクスチェンジ・オファーの結果発表についてによれば、サムライ債は驚異の94.4%交換。全世界平均の76.07%を大幅に上回っている。全世界的なエマージングへの投資ブームはまだまだ続き、アルゼンチンで痛い目にあってもその勢いは衰えないように見える。



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15 March

「銀行」にできること


  • 中小企業買収ファンド設立(3.12日経)りそなとあおぞら、総額100億円。「再生」から投資へとの軸足シフトを中心にまとめた記事。銀行がこういう事業に傾斜することは、良い様でもあり悪い様でもあり…海外の事例では、うまくいったらいったでその部門に対する収益依存度があがり、結果として銀行全体の収益のぶれにつながるので部門をスピンオフするはめになったりしているようだ。100億円程度のファンドでは、銀行全体の収益に貢献するというサイズではないだろうが、気になるのは「投資」だといいながら、対象企業に対して銀行としてのサービスを提供するメリットという概念が消えていないこと。投資というならスタンドアローンの収益性にむしろ特化しないとリスクリターンの分析が曖昧になります。

  • 中小零細向け無担保融資、大手銀進出に規制の壁(3.12日経)中小事業者向け無担保融資については、会社と個人の資金が混在しているパターンが多いため、消費者金融のノウハウと銀行のノウハウの両方が必要であるが、金融庁の規定(調べていませんごめんなさい)では銀行と資本関係にある企業による保証業務は、事業者向け融資では認められていない、との記事。???消費者金融に保証させなくとも、そのノウハウを生かす手はありそうですが。より根本的には、ここで個人と会社を分別する方向に進まなければ日本の中小企業金融は行き詰まりを打開できないと思います。それこそ、銀行にできることでは(メガではなく地域金融の出番)?

  • 日本政策投資銀行、法務省のPFI案件に対してLOIを発出(3・10同行ホームページ)。このネタは商品研究所真鍋の金融ノートからいただきました。PFIは長期案件なので、まずは政府系金融機関から、ということなのかもしれませんが…。期間が長いだけに、その収益性の評価はかなり難しいところです。採算チェックがきちんと働きますように。邦銀さんは、海外PFIでは債権者としてお名前を見かけることもあるように思いますが、国内PFIへの取り組みはいかがなんでしょうか。



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08 March

気になるキーワード:ソフトバンク債手数料・野村證券と市場型間接金融・ヘッジファンドの投資家


  • 「ソフトバンク債「41億円手数料」の内幕」(3.1エコノミスト)。ソフトバンクがユーロ発行のコーラブル債の財務制限条項の変更のために、投資家に額面の7.25% に相当する手数料を支払った(同社HPによれば、4億ユーロ残高に対し、変更手数料「など」で29百万ユーロ。いくらが投資家にわたったのかは不明)。その背景には、この記事が分析するように日本テレコム関連のM&Aがあるのかもしれないが、それよりも私の関心事は手数料の額。高いですよね?あまりこういうものの例は表に出ないので、横並びの比較ができないのですが。

  • 野村證券「市場型間接金融でメガバンクに真っ向勝負」(3月号金融ビジネス)。このブログではもはや何度も書いておりますが、そんなところで勝負しないでジャンク債市場をつくってください。お願いします。

  • 「ヘッジファンド隆盛の背後に中東マネー」(3.1エコノミスト)。統計的につかみにくいヘッジファンドが金融市場を動かしている。中東、401K。



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07 March

事業再生関係


  • カネボウ。「化粧品をやめたカネボウが再び化粧品頼みに戻る矛盾」(2・5週刊ダイヤモンド)。外から見ると、カネボウの問題は何だったかというと繊維事業をたたむタイミング。本来なら新事業への「転換」を図るべきだったところを、古い事業も全部残しちゃったことが問題だった?とすれば、「本体」をどのように存続させるかというグランドデザインはどこにあるんだろう。

  • MMC。どうもここが再生するという道が私には見えない。「三菱自動車の新再建策 交錯する三菱3社の思惑 販売不振止まらず、事業継続に暗雲」(2・5週刊東洋経済)。その中で、東京三菱銀行がMMCの手形割引に応じなかった(!)という話が紹介されている。うーん。あれだけ「支援」をぶち上げたからこそ、取引先も市場もおさまっているところなのに…。

  • 三井住友。事業再生の中に入れちゃいますが、三井住友が再生中だというのではなく債務者の方。「遅すぎた融三案件処理」(3.7日経ビジネス)。イトマン関連としてトータルハウジング、平和相互関連として徳間書店の例を上げ、不良債権最終処理段階という分析。負の遺産さえきれいにできれば、この銀行の収益追及DNAは他のメガバンクに較べてとても強いと個人的には思うところ。いままで、どうも不良債権処理が遅れているようなイメージがあったのが、さすがにこれで片付いたか。ゼネコン関係も進められているようであるし。

  • UFJ。こちらは銀行の方が再生という位置づけ(私の中では)。「死地から生還したUFJ銀行頭取が語る「統合」の真相」(2・5週刊東洋経済)。少し古いインタビュー記事で恐縮だが、UFJ頑張ろうという気持ちが伝わってくる(もっともトップとしてはモチベーションのためにそういわざるを得ないだろうが)。いや、真面目にそう思った方が合併というのはうまくいくんである。特にBOTMの側にそういう意識(対等)がないとだめですが。


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03 March

アルゼンチン・ダイエー


  • アルゼンチン債は交換手続き締め切り(2・25)。元本の66.3%削減で30年満期となる債券への交換が、日本の投資家にとってはほぼ唯一の選択肢であるが、これを機に売却に踏み切った投資家も多いとの報道(日経公社債情報2・28)。怖いのは、今のサムライ債ブームである。ゼロックスで米国事業法人、アルゼンチンで海外ソブリンの怖さを思い知ったはずの本邦投資家。しかし一方で、FMCCは1600億円への増額。

  • ダイエーの支援は、丸紅とAP(アドバンテッジパートナーズ)連合に内定(3・2各紙報道)。みずほCが自行保有の債権を産業再生機構に売却し、大口債権集中リスクや利益相反を避けたか、という思惑が出ていたが、結果は事前の予想通りとなった。さて、これからお手並み拝見です。



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